(仮訳)Cintractia carpophila var. kenaicaの識別:北米産のコキンスゲに発生する黒穂菌の、Anthracoidea属の明瞭な種としての再分類
Piątek, M., 2013. The identity of Cintractia carpophila var. kenaica: reclassification of a North American smut on Carex micropoda as a distinct species of Anthracoidea. IMA fungus. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3719198/ [Accessed April 19, 2014].
【R3-00623】2014/04/19投稿

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3行まとめ

50年以上も分類学的に検討されてこなかった、米国アラスカ州産のCintractia carpophila var. kenaicaについて再検討を行った。
本種は黒穂胞子が小型で、表面が非常に微細な疣状であり、無色の薄い粘液質の鞘で包まれ、壁の内面に2-5つの膨大部があることなどで特徴づけられた。
本種をAnthracoidea属に移すとともに、変種から種へと昇格させた。

(新組み合わせ・カナダ新産種)

Anthracoidea kenaica (Savile) M. Piątek
旧名:Cintractia carpophila var. kenaica Savile
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Anthracoidea heterospora
同じスゲ属植物を宿主とする
本種と異なりスゲ属のDornera節ではなくPhacocystis節の植物を宿主とする
本種より黒穂胞子の装飾が発達する
本種より黒穂胞子の壁が厚い
Anthracoidea deweyanae
同じスゲ属植物を宿主とする
本種と異なりコキンスゲではなくCarex deweyana(ホスゲの基本種)を宿主とする
本種と異なり走査型電子顕微鏡で黒穂胞子の表面が顕著な疣状であることが確認できる
Anthracoidea elynae
同じAnthracoidea節に含まれる
黒穂胞子のサイズの範囲が重なる
黒穂胞子の表面が平滑~ほぼ平滑
本種と異なりコキンスゲではなくヒゲハリスゲ属の植物を宿主とする
本種より黒穂胞子が平滑の傾向がある
本種より黒穂胞子の壁が厚い
本種ほど黒穂胞子の内面の膨大が顕著でないか、数が少ない
本種より黒穂胞子がゼラチン質の鞘に覆われる頻度が高いか、またはより明瞭
Anthracoidea externa
同じAnthracoidea節に含まれる
黒穂胞子のサイズの範囲が重なる
黒穂胞子の表面が平滑
本種と異なりコキンスゲ(Dornera節)ではなくFilifoliae節のCarex filifoliaを宿主とする
本種より黒穂胞子の壁が厚い
本種と異なり黒穂胞子の内面が膨大しない
本種より黒穂胞子がゼラチン質の鞘に覆われる頻度が高い
Anthracoidea macranthae
同じAnthracoidea節に含まれる
黒穂胞子のサイズの範囲が重なる
黒穂胞子の表面が平滑
本種と異なりコキンスゲではなくヒゲハリスゲ属の植物を宿主とする
本種と異なり黒穂胞子の表面が点状~疣状になることがなく、完全に平滑である
本種より黒穂胞子の壁がやや薄い
本種と異なり黒穂胞子の内面が膨大しない
本種と異なり黒穂胞子の鞘が平らな面に限局することがある
Anthracoidea nardinae
同じAnthracoidea節に含まれる
同じスゲ属植物を宿主とする
形態的に非常に類似している
黒穂胞子のサイズの範囲が重なる
黒穂胞子の表面が平滑~ほぼ平滑
本種と異なりコキンスゲではなくCarex nardinaNardinae節)あるいはFilifoliae節のCarex elynoidesを宿主とする(ただし、後者は定かでない)
本種より黒穂胞子の表面が平滑の傾向がある
本種より黒穂胞子の壁が厚い
本種ほど黒穂胞子の内面の膨大が顕著でないか、数が少ない
本種と異なり黒穂胞子が鞘に包まれない (?)
Anthracoidea scirpi
同じAnthracoidea節に含まれる
黒穂胞子のサイズの範囲が重なる
黒穂胞子の表面が平滑または非常に微細な点状~疣状
本種と異なりコキンスゲではなくミネハリイ属の植物を宿主とする
本種より黒穂胞子の壁が厚い
本種と異なり黒穂胞子の内面が膨大しない
本種より黒穂胞子がゼラチン質の鞘に覆われる頻度が高い